赤で囲んだところ | 開発が計画されていた範囲(約72ha) |
水色の線 | 道路予定地だったところ |
黄色の部分 |
学校建設予定地だったところ |
青色の線 | 市道181号線 |
1.こんな開発計画だった
天覧山・多峯主山の開発計画は、72.9ha・2679戸の住宅団地(武蔵丘分譲地・仮称)建設計画であった。それに伴って多峯主山の南斜面緑地に小中学校と武蔵丘団地と飯能日高団地とを結ぶ12m幅の道路を建設する計画
☆小中学校は、我々「守る会」の活動の成果で1998年12月に中止になりました。
2.団地開発はこのように進んでいた。
開発の手順は、
住民への説明⇒事前協議申請⇒市長への意見書⇒環境アセスメント⇒開発申請⇒県知事の許可・不許可
という風に進むわけです。95年10月に小山市長により「開発推進」の意見書が県に提出されましたが、96年4月、開発予定地内でオオタカの営巣が確認され事態は急展開をみせました。西武鉄道は環境庁のオオタカ保護のガイドラインに添いオオタカの生息調査をしなければならなくなったのです。また、開発予定地内の10数カ所で、かなり広く伐採されていますが、これは96年、西武鉄道が市に無届けで、測量のためと称して無断伐採をしたものです。
3.県はこの開発計画についてどのように考えていたか。
県としては開発の申請内容に不備がなければ許可せざるをえない立場にありますが、市民の声を無視することはできないとして、企業に対し指導をし
ました。オオタカ保護については、土屋知事は記者会見で「環境庁のガイドラインに添って守っていきたい。」と言明しました。
その後、休止状態にあった県民休養地構想の実現にむけての予算化も確約し、現在(財)埼玉県生態系保護協会によって調査され、作成された「飯能県民休養地自然環境報告書」が埼玉県自然保護課より出されており、閲覧できるようになっています。
4.環境アセスメントとは?
開発行為等を行なう事業者が、指導要綱に基づき開発が環境に与える影響をそれぞれの項目について予測、調査、分析して「環境影響評価書」を縦覧期間をもうけ一般に公開するものです。住民が意見を出すこともできますが、事業者が開発を前提に作成するため、都合の悪いデータは削除や改ざんされることが多く公正さに欠けます。そのため「事業アセス」「あわすメント」とも呼ばれ、各地で第三者による公正なアセスのあり方が求められています。
5.市道181号線ってどういう意味があるか?
地図内の青色の線で描かれているのが市道181号線です。市道181号線は、全長約2kmのうちの約500mが尾根道として団地開発が予定されていたところを横切っています。もし、工事が行なわれたとしたら「太郎坊」とともに消滅するところでした。この道は天覧山・多峯主山を訪れたほとんどのハイカーや遠足の子供たちが歩きます。市民からも大変親しまれ、利用されている道であり、市によって管理されている国有地なのです。「守る会」では、一企業の利益のために市道181号線を提供することのないよう、市と県と国に対してつよく求めてきました。