16回全国雑木林会議in飯能 閉会の辞

平成201021 第16回全国雑木林会議in飯能 実行委員会委員長 浅野正敏

 

16回全国雑木林会議in飯能」大会終了に当たりご挨拶を申しあげます。北は北海道から、南は沖縄まで津々浦々からこの埼玉飯能まで、そしてまた、飯能市内はもとより、近郊都市からもたくさんの方々にお越しを頂き、本大会を盛り上げて頂きましたこと、心よりお礼申し上げます。

本大会の主事業となりました各エコツアー、各分科会、基調講演、ワークショップの講師の皆様におかれましては、本大会趣旨に則った実践や厚き考えを交わして頂きありがとうございました。

また、郷土芸能や音楽を披露して下さいました皆様、手づくりの食べ物や各種グッズ、書籍等を販売して下さった皆様、写真等のパネル展示を頂いた皆様には、会場の雰囲気を盛り上げて頂きありがとうございました。

この大会を開催するに当たりましては、飯能市、駿河台大学、むさしの緑の基金、森と水の森林基金といった助成金や、各方面からの多大な協賛、協力、後援を頂けたことにより実施できましたことを申し添えなければなりません。そしてなによりも主会場として大学キャンパスを開放して頂いた駿河台大学関係各位、企業、行政関係からの人的応援、実行委員はもとより当日助っ人に駆けつけてくれた方々、学生の皆さんらの裏方によって開催できたことであり、深く深く感謝を申し上げる次第です。 

1日目、お天気は最高の秋晴れにめぐまれ「トトロとおおたかの森の見学ツアー」そして「西川材物語」と「ユガテの森」の2つのエコツアーが無事に終了。2日目も晴天にめぐまれた中で、飯能市内各地を会場に朝からの6つのエコツアーと駿河台大学の教室を会場に2つの分科会が終了しました。

2日目午後から開会式が行われた後、飯能市在住で筑波大大学院教授の加藤衛拡先生の基調講演を行い「武蔵国の平地林と山地林」というタイトルで歴史から学びながら、これからの森林のあり方を問われました。夕方から中庭特設舞台で華やかなお囃子と伝統の獅子舞という2つの郷土芸能の演技を楽しませてもらい、夜には交流会で郷土民謡の披露もありました。最終日には5つの分科会が行われ、どれも興味深いテーマでどれに参加しようか悩むほど魅力的な会議となりました。18日〜19日は中庭やロビーを使って、たくさんの実演や展示、販売等々盛りだくさんの企画で埋まりました。

参加者の皆さんには、森林について学習すると共に、大いに楽しんで頂けたのではないでしょうか。 

ところで、この雑木林会議という全国大会は、とてもユニークなところがあります。それは、全国大会でありながらそれを取り仕切る固定した組織がないということです。そのつど開催地のNPOとかの市民団体が実行委員会を立ち上げて実施するというやり方できているとのことです。

これまで開催地において係る問題、課題を取り上げ、全国の方々と共に問題解決の糸口を探すためのテーマ設定をして来ました。そうした意味で当飯能市において開催するということについてタイムリーな状況が3つありました。まず1つは「森林文化都市」を宣言したまちであること、2つ目は、エコツーリズムの推進モデル地区に指定されたこと、3つ目は、駿河台大学をはじめ市内の聖望学園、自由の森学園が森林環境教育に取り組んでいることが上げられます。

この全国大会の名称は「雑木林会議」ですが、この飯能地域が取り組むとしたら「雑木林」だけにとどまらず、森林というくくりで考えようということで企画が進められて来ました。この飯能市が抱える森林保全と活用の問題は全国各地で共通した課題でもあると思います。

本大会において、身近な自然・森林の有する諸機能や存在意義、人と環境との関わりについて考え、体験し、議論し合えたことで新たな行動の原点を考えるきっかけとになったことと存じます。

まさに大会サブタイトル「原点回帰・・・くらしと森林」を追求した会議として纏めることが出来ました。

本開催地としましては、エコツーリズムを通して飯能地域の森林と関わる文化やくらしを全国に知ってもらえた良い機会であったこと、また、この大会に関わった多くの市民とその市民団体、事業者、行政とのネットワークが築かれたことがとても有意義であったと喜んでおります。 

最後に、次回第17回の全国大会は、鹿児島県で開催されることに決定しましたのでご報告申し上げます。これから1年間ご苦労が多々あると思いますが、開催地でのメリットは充分得られるものがあると確信しています。引き継ぎ頂きましたNPO法人エコ・リンク・アソシエーシュンの代表理事、下津公一郎様にエールを贈り第16回飯能大会の終了宣言とさせて頂きます。

尚、16回大会の報告書作成に取りかかりましたのでそちらもご期待下さい。ご注文は随時受け付けておりますので、よろしくお願いいたします。