東谷津レポート その220

2018.10.24(水) 岡登 9:00〜12:00  晴れ 

 

 今年の夏は、厳しい暑さか続き、秋は、雨が多く降りました。そこでキノコの当たり年でしょうか?随分いろいろなキノコを見ることが出来ました。10月も下旬となると天気が安定してきました。森をにぎわしているのは、キク科植物が多いようです。冬の使者ジョウビタキも天覧山にやってきました。今年は、どんな仲間がやってくるのか今から楽しみです。森の妖精?


アキノキリンソウは、高山のアプローチにも見られます。セイダカアワダチソウの仲間です。




シロヨメナ、葉の粗い鋸歯が特徴です




コウヤボウキこれもキク科の植物です。




ユウガギクは、柚香菊と書きます。ユズの香りがするでしょうか?




谷津田の上の丘は、畑があったのですが、一部にお茶の木を植えていました。今でも残っています。




アザミの種が、風に飛ばされていきます。




マムシグサの実も色づき始めました。最近マムシグサを多く見ます。シカが食べないからかもしれません。


 

東谷津レポート その219

2018.7.7(土) 岡登 9:00〜12:00  晴れ

 

 今日は、天覧入りカヤネズミの調査に参加した。巣は5個見つかった。蒸し暑い天気の影響かシマヘビが2匹もカヤネズミの巣を狙ってススキ原に来たようだ。天敵の捕食者ヘビと可愛いカヤネズミ、誰でもネズミを助けたくなるけれどこれも自然営みなのでしょうがないのだと思う。せめてつる草を減らしてヘビが登ってきづらいようにするしかない。センサーカメラにカモシカが写っていた。天然記念物のカモシカシカがいるなんて豊かな自然があると手放しで喜べない。シカの食害で奥山の草がなくなったためにこの里山まで降りてきたと思われるのだから。


カヤネズミの巣近くに潜むシマヘビ


本郷入りで写ったカモシカ


チダケサシが咲いています


谷津田のススキ原に咲くコバノカモメズル


今年はヌマノトラノオが多いようです

 

東谷津レポート その218

2018.5.29(火) 岡登 10:00〜12:00  晴れ

 

あっという間に春も過ぎそろそろ梅雨入りになろうとしている。夏鳥は、キビタキを始めいつものメンバーがそろってにぎやかにさえずっている。3月にアナグマも冬眠から覚め繁殖期に入った。ノウサギも番になって行動している。早春の草の花も終わり木の花も盛りをすぎた。天覧入りの谷津田は、地元の小学校の6年生が田植えをした。シュレーゲル アオガエルが田の畔に、親戚のモリアオガエルは木の枝に白い泡状の卵塊を産み付けている。時は夏に向かって駆け足で過ぎてゆく。




木の葉を食べるノウサギ



ちょっと大きなゾウムシ



地元の小学生が植えたイネ うまく育つかな



林の中ではヤブムラサキ



近くにはモミジイチゴの実がなっている。食べごろ



林縁にはイボタノキ



もうちょっとで開花するオカトラノオ



そばには、ノアザミが

 

東谷津レポート その217

2018.3.4(日) 岡登 9:00〜12:00  晴れ

 

今年の冬は、厳しい寒さと数年ぶりの降雪があった。田んぼにはモズが1羽常駐していた。寒そうな田んぼに1羽いる姿を見るとつい孤独というイメージが湧いてくる。肉食性の強い鳥は、エサでもテリトリーを持つので1羽でいなければならないのだが寂しいという印象を持ってしまう。そのモズも去ってしまった。1週間くらい前から春らしい陽気になってきた。谷津田にヤマアカガエル、ニホンアカガエルが産卵に来ている。カエル合戦。それを、ノスリが狙ってやってくる。毎年の光景だ。



田んぼ側の林の中で、様子をうかがうノスリ。ノスリの中には、渡りをするものもいるが、この鳥のようにこちらで冬を越すものもいる。



アナグマも冬眠から覚めて活動開始。同じ穴にタヌキ夫婦が同居しているようだ。穴掘りのうまいアナグマ一家が作った棲家にタヌキが居候している感じだ。仲良しなのだろうか?心配されるなどうせ同じ穴のムジナなのだから。



同居人のタヌキ夫婦。左がオスで右がメスか こころなしかメスと思しきもののおなかが大きいようだ。可愛い赤ちゃん産んでもらって子育ての様子を見たいとは、私の勝手な思い。

 

東谷津レポート その216

2017.9.29(金) 岡登 10:00〜13:00  晴れ

 

山梨さんの後を受けてレポートをさせていただきます岡登と申します。今後ともよろしくお願いします。


ノダケが咲いていました。




植物調査の時、仲間が見つけたセンブリ、今では珍しい花に



 

東谷津レポート その215

2017.7.29(木) 山梨 10:30〜17:00  曇り

 

東谷津に小さな柚子の木がある。植えてからかれこれ7、8年になるが花も実もつけない。それもそのはず『桃栗三年柿八年、柚子の大馬鹿十八年』と言うから、あと十年はなんの役にも立たない頑固者だ。ある日、その頑固者にアゲハ蝶が羽を小刻みに動かしながら留まって尻を付けている。産卵だ。そうその頑固者も、食草として生態系の一環として自然界で役立っているのだ。そしてこのレポートも10年が経ち215回を数えたところで私は引退し、他のメンバーが継続する。


<アゲハの孵化>

アゲハの雌は感覚毛の生えた前脚の先(ふ節)で葉に触れ、フラボノイドやアミノ酸など数種類の物質を感知し、食草と確認して産卵するのだそうだ。ユズの若葉をさがすと、あった小さなちいさな卵が、数日後卵は変色し、孵化が始まった。

ユズの若葉に産卵された卵。極小だ。(写真左は人差し指の先)


2日後(実際は何日か不明)、卵は変色し(中の幼虫が透けて見える)孵化が始まるぞ。(11時42分)


幼虫が殻をかじりだし見えてきた。(15時02分)


頭を出した、大きな頭だね。(15時08分)


身をのり出して脱出開始だ。(15時09分)


足場を定めて一気に脱出。(15時10分)


脱出完了だ。殻をかじりだして13分、疲れが来たのか、環境の違いに驚いたのか動きを止め呆然としている。(15時15分)


ふっと我に帰ったのか、向きを変えて自身の出た殻を食べだす。(15時51分)


これは別個体のもの、殻を食べているのがよくわかる。


ついに完食(16時47分)。これ以降は柔らかい若葉に食を変え5齢まで脱皮を繰り返す間ユズは何枚の葉を与えるのだろうかな。

東谷津レポート その214

2017.4.16(日) 山梨 10:30〜14:00  晴

 

谷津の田んぼではシュレーゲルアオガエルが騒がしい。冬枯れ色の草原にも淡い緑色が散らばりだし、あわせて虫たちも動き始めた。ため池の水底に紐状のヒキガエルの卵塊があった。昨年4年ぶりに産卵に戻って来てまた今年も産んだのだ。


ヒキガエルの卵塊:昨年に続いての産卵だ。定着してくれるといいなあ。


ヤマルリソウ;林床に咲く可憐な花。直径10ミリほどの小さな花だ。思わず近寄ってしまう・・・


白い鱗片が可愛さを助長する。


セモンジンガサハムシ:背中に黄金色のX字の紋がある陣笠型の虫、ハムシたちも動きだしたようだ。


イタドリハムシ:食草のイタドリはまだちょっと早いんじゃないの。余計な心配ご無用、既に芽生えているスイバも食べるのだそうだ。


コミミズク:冬期のレポートでおなじみ、でもこれは抜け殻だ。どうやら最後の脱皮で成虫に成ったようだ。近くを探してみると・・・


小枝にへばりついている。


すっかり小枝になりきっているつもりだろうが、そんな枝はないぜよ尺取虫さんよ。


こちらも尺取虫、ボケの葉中から身をのりだす。

東谷津レポート その213

2017.2.24( 山梨 10:0015:00  晴

 

谷津の田んぼのあちらあこちらにヤマアカガエルの卵塊がみえだした。そろそろかれらの合戦が見られるだろう、かれらの都合に合えばのことだが。そんな日は暖かく、気の早いキタキチョウも飛び出すことだろう。待ち遠いねえ里の春。


イラガの繭:梅の枝先、花が咲きだしたが幼虫がでてくるのはまだまだ先だ。


アカコブコブゾウムシ:この個体は寒風吹きすさぶこんな場所で越冬だ。寒くないのかねえ、近寄ってみると・・・


自慢の象鼻ともに体をまるめてしっかりと枝にしがみつく。


キタキチョウ:ブッシュの奥のおく、ここで越冬だ


よくまあここまで入ったものだね。でもこのチョウは暖かい日は冬でも飛び出す。


ムラサキシジミ:「この中でムラサキシジミが冬眠してるよ」虫友が指差す先。枯葉だけしかみえないが・・・(写真中央のまるまった枯葉)


まわりの枝葉に触らないよう細心の注意を払って近寄り、画面を明るくしてみると・・・頭を下にして静止している。


キノカワガ:こちらはこの時期に出現する蛾だ。昼は名の通り木の皮に見事に擬態してじっとしている。


オナガグモ:カシの幼木の枝先が不自然だ。こういうところにゃ何かいるぞ、虫の見つけ方の常套手段。ナナフシの幼体かな、近寄って見ていると、動き出した・・・


クモだ。腹部が異常に長いオナガグモだ。このクモ巣網を張らず、数本の粘性のない糸を張り、そこを伝わって来たクモを捕えるのだそうだ。

東谷津レポート その212

2017.2.8( 山梨 10:0014:00  晴

 

谷津に一番早い春の兆しが現れた。そう、ヤマアカガエルの産卵が始まったのだ。とはいえまだ2月に入ったばかり、肌にさわる風は冷たいし、ため池には氷がはるくらいだ。谷津に響き渡る美声の大合唱とカエル合戦はまだまだ先だろう。


ヤマアカガエルjの卵塊:今年初の産卵。だが雨が降らず、このままだと卵は乾ききってしまうだろう。


シャクガの仲間の幼虫:ついに遭えたぞ。コナラの小枝の先端、冬に入ってこの小さな冬芽をいくつ見たことか。ここで春を待つ、うまいところにいるといつ見ても感心する。さてちょっとアングルを変えてみようか・・・


おおっと、不用意にカメラが触ってしまい、ちょっと動き出した。完全に目覚めさせてはいけない、動き回って捕食者にみつかってしまうかもしれないぞ。


幸い元のねぐらにおさまった。


カギバガの仲間の幼虫:ガマズミの小枝の下に陣取って越冬するのはアシベニカギバの幼虫のようだ。


トゲアリの死骸が変だぞ。枝先を噛み締めて死んでいるトゲアリ、肩口から3本の棒状のものが突き出ている。これらはトゲアリのもの(背中から前方に、腰部から後方に湾曲)ではない、冬虫夏草の一種かもしれない。


トラツグミ:湿地で足踏みしながら土中の虫を追い出して食べ歩いている。地面と枯葉枯れ草に見事に溶け込む。見失わないようカメラで追った。


じっとたちどまった。すると、羽根をばたつかせて体についたゴミを払い落としたのかな。こんな仕草も見せてくれた。

 

東谷津レポート その211

2016.12.3( 山梨 10:0014:00  晴

 

紅葉も終わり葉を落とし始めた雑木林の縁に1株のリンドウ、花の盛りも終わり落ち葉に埋もれてゆくだろう。もう花を開くことはないのだ。昆虫たちも冬支度を始めたぞ。


リンドウ:雑木林で1番遅く花を咲かせるが、その盛りも過ぎた。このつぼみはもう開かない。


クロアゲハの幼虫:柚の葉陰にまだ幼虫でいた。「お〜い、早く蛹にならないと寒くなるよ」


もそもそと動いて、陽の当たる落ち葉の上に移動した。これでは捕食者からまる見えだ。


キタテハ:越冬場所を探しているのかな。灌木の根本近くでゆっくりと翅を開いたり閉じたり。


ウラギンシジミ:こちらは越冬場所を決めたようだ。数日前からここに留まっているそうだ。


ナカキシャチホコの幼虫:膝丈ほどの小枝に静止、もうすぐ土の中にもぐって蛹で越冬かな。逆光に半透明の体色が美しく、撮る時はいつも逆光から。


コミミズクの幼虫:小枝にぺたりと貼付いて春までここに留まる気かな。脚は体の下と横にすっぽりおさまり、立ち上がって歩きださないと見えない。