東谷津レポート その20

2008.6.13(月) 山梨 am10:30 晴れ 気温21.0°水温17.0°  

 

やはりアズマヒキガエルのオタマは集団で上陸していた。前回のレポートから3日のうちに、いつも群れていた池の片隅の水草の根本からすっかり消えて、1匹もいない。池の廻りの隠れそうな草むらや、石の下など探してもみつからない。今回も上陸を見ることが出来なかった。残念!!

ヤマアカガエルのオタマも、残り数匹となってしまった。残っているのは遅く孵化したシュレーゲルアオガエルのオタマだけになってしまった。そんな池にも生き物はたくさん居る。池底で何やら細い棒のようなものが動いている。網ですくってみると、トンボのヤゴだった。自分の体の数倍の影を池底に落としてアメンボ、クモもいるぞ。水辺は何時もにぎやかだ。

池を後にして、楽しみにしている小さな野草の花を見に行った。この野草は5月の初旬に5、6個のツボミを先端につけて花茎を延ばし、すぐにでも開花しそうなのになかなか咲いてくないのだ。もう3年も裏切られ、「今年は時間もたっぷりある絶対見てやる!!」と思いつつ谷津田に来る
度に坂を登って寄り道だ。

そして1ケ月半、ついに開花した。ガシャ!! ガシャ!! 撮ったぞついに。イチヤクソー「一薬草」と書く、その名の通り乾燥させて脚気などの民間薬、葉の汁を止血剤に使ったそうだ。なんともない野草の花だけどなんて嬉しいことやら。
 


イトトンボのヤゴ:尻尾のさきに三本のエラがある。このエラでイトトンボの種類を見分けるのだそうだ。
         それにしてもヤゴなのに親のトンボにそっくりだ。
 


アメンボ:池底のユーモラスな自分の影に見入っているのか、じっとして動かない。
 


こちらも池底に影、アメンボか? それにしては足の数が多すぎる。ズームupしてみると。何と、クモではないか。
猟りを終え獲物をくわえたスジブトハシリグモだ。このクモは徘徊型(クモの巣を張らず、動き廻る)で水辺に棲み、水面を走ることも出来ちゃうヤツだ。
 


イチヤクソウ:10センチ程に延びた花茎の上部で咲く。

 


イチヤクソウ:花の直径が13mm程の小さな花、数本の雄しべの下に長く湾曲したのが雌しべ。


 

東谷津レポート その19

2008.6.10(月) 山梨 am10:45 薄曇り 気温23.2°水温23.0°  

 

谷津田のオタマジャクシも上陸を始めるようだ。

<ヤマアカガエル>四肢が生え揃うと、体形もすっかりカエルの形となって観察(撮影)用のトレイの中でジャンプして逃亡を計る。上陸寸前なのだろう、平気で水から這い上がる。もう肺呼吸が出来るのだろう。

池の中のオタマも、ほとんどの個体に四肢が見える。人の影が見えるとサット物陰に隠れてしまうが、後が点々と濁ってどこに隠れたか簡単に分かってしまう。うまく隠れたつもりだろうがね。そんなオタマの数も少なくなって、早い個体は既に上陸したのだろう。

<アズマヒキガエル>こちらも上陸寸前だ。相変わらず集団行動を崩さない。集団で小さな身体の弱点をカバーしているのだろう。けして単独にはならない、泳ぎも全く下手で、残っている尻尾と四肢を不器用に動かしてヘロヘロとやっとこさ動いている感じだ。大人になったカエルは、ジャンプもせずのそのそと移動するが(レポート-11参照)、オタマの段階でこの性質を持ち合わせているようだ。

<シュレーゲルアオガエル>まだ身体は小さいが泳ぎは達者、単独行動だ。このオタマは、ヤマアカガエル、アズマヒキガエルのオタマと違い、頭部が透明に透けている。成長し変態の段階ではどうなるのだろうか。オタマが池からどんどん居なく成って行くなかで、楽しみが出来た。もうちょ っと谷津田詣でが続きそうだ。



ヤマアカガエル:四肢が生え顔つきが変わり、体表の模様も現れて尾がなければすっかりカエル。ジャンプも出来るのだ。
 



四肢の生えた同世代?のヤマアカガエル(体長48mm)とアズマヒキガエル(体長18mm)「オレのマネするなよ!!」とどちらかが言っているようだ。
これは観察用のトレイの中の出来事、自然状態ではこんなことまず有り得ない。
 


アズマヒキガエル:ヘロヘロと全く泳ぎは下手くそ。
 


アズマヒキガエル:みんなそろって水面から顔を出し上陸の機会を伺っている。自信なさそうに「おまえ先行けよ」とでも言っているようだ。

 



アズマヒキガエル:こんなに小さいのだ(尾がないと体長8mm程)、この大きさで上陸する。真っ黒け、どこが口やら目玉やら、いつあのガマの体色になるのだろうか?
 


シュレーゲルアオガエル:オタマは体長22mm程と小さいが俊敏に泳げるためか単独行動だ。頭部が透けて見える。

 

東谷津レポート その18

2008.6.2(月) 山梨 am10:09 薄曇り 気温20.8°水温17.0°  

 

今週は台風の接近もあり、天気が思わしくないと言うので、急遽谷津田に行くことにした。

<アズマヒキガエル>前回レポート-17のホタルの里の手足の生えたオタマは、5/8既に上陸してどこかに移動して池には気配もない。何と早い成長なのだろう。あの神秘的な孵化から、あっと言う間である。気が付くと、既に四肢が生えており、5日後にはまだ長く残っていた尾も退化して上陸を終えていたのだ。やはり上陸には立ち会えなかった。後はまだ残っている東谷津に期待だ。

<ヤマアカガエル>ついに足が生えて来た。孵化から(別々の個体が、何日もかけて産卵/孵化を繰り返しているので何時のものか確定できないが、一番多かった3/11の孵化を仮定する)何と80日もかかっている。体長も50mm程にまで成長した、これから手が生え、尾が退化して上陸するのだが、これとてゆっくりと進んで行くのであろう。アズマヒキガエルのあっという間の変態との違い、じっくりと観察出来るだろう。

<シュレーゲルアオガエル>5/28東谷津でもう1つ卵塊を見つけた。雄の鳴き声の数からしたら少ないが、見つかっただけ良しとしよう。先日孵化したオタマジャクシは15mm程で非常に小さいが俊敏に泳いでいる。孵化した瞬間から単独行動で頼もしい奴だ。

6月に入ると谷津田の周辺は初夏を感じる。植林の中の歩道を行くと、コアジサイが薄青い花を咲かせ、1月に綿毛を飛ばしていたテイカカズラの花がほんのりとジャスミン香を漂わせ、結実し冬にはまた綿毛を飛ばそうと、虫を呼んでいる。

それにしても、テイカカズラのこの花がどの様に綿毛になって行くのか?この植物を通して夏から秋、冬にかけて谷津田を観て行こう。もうすぐカ エル達も上陸を終えるだろうから・・・。
 



ヤマアカガエルのオタマ:体長50mm程に成長し、立派な足が生えている。次は手が生えてくる。

 



コアジサイ:林間に咲くコアジサイ。

 


テイカカズラ:この花が冬には綿毛になるのだ。林間にジャスミン香を漂わせている。

 


ノアザミの花粉をハナアブの一種が夢中で食べていてカメラを近付けても気付かない。

 


ホタルの里のイボタノキの花にアオスジアゲハが蜜を吸いに来た。羽はもうボロボロ、色々な花の蜜を吸ったのだろう。

 

 

東谷津レポート その17

2008.5.23(金) 山梨 am10:10 晴れ 気温21.4°水温21.0°  

 

<アズマヒキガエル>オタマジャクシはこの一週間で足と手が生え、顔つきも変わって上陸のための変態が始まっていた。このオタマは依然として集団行動を続けていおり、大きさも約22mm程で、尾はまだ長く残っているがやがて退化し上陸の日も近いであろう。この上陸も集団でやるのだそうだ、運が良ければ見られるだろう。

<ヤマアカガエル>こちらはゆっくりと成長を楽しんでいるかのようだ。相変わらず単独行動でエサを探している。時々水面から口を出して肺呼吸の練習でもしているのかな、まだ足も生えていないのに。いつになったら上陸する気に成るのだろう。

池の周囲に目を移すと、切り立った土手の中間に白く泡立った所があった。シュレーゲルアオガエルの卵塊だ。ほぼ垂直な斜面にどうやって登って穴を掘って産卵したのだろう。黄色い卵の状態を見ようとちょっと触ってみると、なんともうオタマジャクシになっていた。次の雨で、水中への脱出(流れ落ちる)を行おうとじっとまっていたのを刺激したようだ、泡の中で動きだしてしまった。"御免、明日と明後日はまとまった雨が降ると天気予報官が言っていたからね"

近くの木陰ではフタリシズカが2本の穂を立てて白い花を咲かせていた。
 


アズマヒキガエルのオタマ:手足が生え顔つきも変わっていた。やがて尾が退化すると変態を終えて陸へと上がって行く。
 


シュレーゲルアオガエルの卵塊:写真中央の白いのが泡状の卵塊だ。水面から15センチ程の所の凹みに穴を掘って産卵、ほぼ垂直な斜面を2匹でどうやって登ったのだろうか。


シュレーゲルアオガエルのオタマ:泡の中で孵化し、次の雨で水中に流れ出ようと待っている。(泡の中に2匹のオタマが見える。土中にはかなりの数のオタマがいるはずだ)


フタリシズカ:白い玉、これでも花である。

 

東谷津レポート その16

2008.5.7(水) 山梨 am10:30 晴れ 気温21.4 水温21.0°  

 

まず、前回のレポート-15の訂正をしなければならない。トウキョウサンショウウオの幼生の大きさの表現を間違ってしまったのだ。

訂正:文中の「大きさは約1.5mm程」と写真解説の「体調15mm」を体長15mmに訂正する。
 
さてレポート-16に入ろう。ヤマアカガエルとアズマヒキガエルのオタマジャクシはどこまで成長したのだろうか?ヤマアカガエルの方は体長が35mm、アズマヒキガエルは22mmほどになっている。だが上陸の気配はない、まだ足も生えていないのだ。観察中近くでシュレーゲルアオガエルの雄が巣穴の中で盛んに鳴いているのだが、見つからない。すぐ近くのはずなのに、くっそ〜いつか必ず見つけてやるぞ!!

谷津田の廻りも初夏、蝶や虫たちが活発に動き出した。
 


大きい方がヤマアカガエルで小さい方がアズマヒキガエル。
 


ヤマトシジミがヒメジオンの蜜を吸っている。
 


ベニシジミ、こちらもヒメジオンの蜜だ。
 


コミスジは吸水のため動かない。
 


まるでトトロのネコバスのようなシロシタホタルガの幼虫、好物のサワフタギ(ルリミノウシゴロシ)の若葉を食べている。


 

 

東谷津レポート その15

2008.4.22(火) 山梨 am10:00 晴れ 気温19.7°水温22.0°  

 

さて、9日ぶりに谷津田の池に来た。アズマヒキガエルの幼生はもうすっかりオタマジャクシの体形で元気に泳いでいた。
 
3/30に発見したトウキョウサンショウウオの卵は、22日かかって孵化が始まっている。この卵のうの皮は硬くて幼生には破れないらしく、片方の端から出て来ている。大きさは約1.5mm程で即単独行動だ。まるでウーパールーパーそっくりに、頭と胴体の境に立派なエラを付け、素早い動きで池の底の石や落ち葉の蔭に隠れてしまう。

主のいなくなった卵のうは空気の抜けた風船の如くしぼんでポニャポニャしている。幼生は、やがて手足が生え、エラが退化し、変態し、丘にあがって林に入り夜行性の成体になる。その成長の過程を見たいものだがもう見つけることは出来ないのであろうか。

池の近くの檜の林では、日影の好きなアオキが花を咲かせていた。このアオキは雌雄別株で当然雄木は実を付けない。雄株の花は、花びらの付け根に4つの黄色い雄しべを持ち、この花粉が風邪に飛ばされ近くの雌株の花の中央の雌しべに付着し結実する仕組みだ。この時期でも雌株は前の年の実をつけており、花と実が同時に見られる。実は大きいからか旨くないのか鳥も喰わないようだ。
 


孵化寸前のトウキョウサンショウウオの卵のう、かなり成長した幼生が見える。
 


写真上側の破れた穴から幼生が出てくる。
 


エラ呼吸のための3対のエラがある。カエルのオタマジャクシと違い、この時点で俊敏に泳ぐことが出来る。(体調約15mm程)
 



アオキの雄花。花ビラの付け根の黄色い4つが雄しべ。
 



アオキの雌株、紫色の花の中央の薄緑色の突起が雌しべだ、上の写真の雄花との違いがよく分かる。まだ赤い実を付けている。
 
 

東谷津レポート その14

2008.4.13(日) 山梨 曇りのち小雨  

 

里山は花の季節到来。今日は東谷津のいつもの池を離れ、てんたの会のイベント日よう日ふるさと散歩「春の里山、山桜の巻」に同行した。午前9:30能仁寺山門前集合、桜の講義を受け基礎知識をつけて出発だ。

天覧入り→神久山肩→太郎坊→雨乞い池で昼食→多峯主山山頂→見返り坂→ほたるの里→能仁寺山門前と久し振りのフルコース、霧雨にむせぶ山道沿いの花々を観察した。


山桜:ふもとでは散ってしまったが、ここ多峯主山山頂ではまだ花をつけていた。
 


カスミザクラ:山桜の仲間だが2週間ぐらい遅く咲くとのこと、若葉が緑で褐色の山桜との違いがよくわかる。
 



アケビ:秋に甘い果肉の実をつける。同株に雌花と雄花をつけている。(大きい方が雌花)
 


ニガイチゴ:名前のように、食べても苦くはないが、他の野いちごのようにうまくはないとのこと。
 


ムラサキケマン:日影の道端でよく見かける。
 


シャガ:沢沿いの日影で集団で大きな花を咲かせている。よく見ると左の花びらの上にちいさな花アブがいる。そうだ虫達も出てくる季節なのだ。
 


ツボスミレ
 


チゴユリ:明るい雑木林の道沿いでよくみられるが、この株は2つの花を咲かせている。花は下向きにおじぎをしているが、写真を撮る為に無理やり上を向かせたので不自然です。
 


ヒメウズ:直径5〜6ミリのちいさな花。なんとあの猛毒のトリカブトと同じ仲間とのこと。
 


カキドオシ:畦道とかでよく見かける。垣根を通り抜けて入ってくるほどの繁殖力とのことでこの名が付いたとのこと。
 


キンポウゲ:別名ウマノアシガタ、花びらの輪郭が蹄鉄に似ているからこの名が付いたとのこと。そう見える?
 


クサボケ:田んぼの畦とかの陽の当たる明るい所を好んで咲く。

 

東谷津レポート その13

2008.4.9(水) 山梨 晴れ  am11:00  気温17.0℃  水温12.5 ℃

 


死滅したかな?

ひも状の皮が溶け(?)て卵が浮き出るというヒキガエルの神秘的な孵化手順(レポート-12の写真参照)の後、(2日間猛烈な雨があった)どうなったのか興味津々で池にやって来た。案の定、浮き出た卵は静かな孵化が行われたようで、黒々と池の底に沈んでいる。しばらく観ていたが、全く動かない。しかも横に倒れた状態でだ。「ちょっとおかしいぞ」棒切れでそっと触れてみる。"動かない"そっと手に取ってみた”全く動かない”なんと初期の幼生のまま孵化されたのだ。(ヤマアカガエルは卵の寒天質の中でこの状態で動き出し、数日後に飛び出してくるのを観察している)

前日の猛烈な雨で水路は増水し、池に濁流の如く雨水が流れ込んだための急激な環境の変化で、産まれたばかりのあまりにも小さな幼生は耐えきれず死滅したと思われる。沈んだ気持ちで帰路についた。

 

オタマジャクシの形にもなっていない小さなちいさなヒキガエルの幼生は、池の底で横に倒れて全く動かない。死滅してしまったらしい。
 


4月12日(土)<am11:30 晴れ 気温20,8°水温24°>

生きていた!!

前日の再度の雨も上がり、晴天で暖かくなった。ヒキガエルの幼生はどうなったのだろうか、やはり死滅してしっまったのかな?

相変わらず池の底に沈んでいる。だがちょっと様子が違う、微妙に動いているヤツがいる。あっちにもこっちにも、生きていたのだ。少し動いては横に倒れてじっとして、これのくり返しだ。まだ泳げない、オタマジャクシの体系になるのを池の底でまっているのだろう、何があっても・・・。

谷津田沿いの雑木林は木々が一斉に芽を吹いて山全体をもえぎ色に染めている。

 

生きていた。オタマジャクシの形に見える(実際はオタマの形にはなっていない)のが動いているやつだ。そしてまた横になりじっと動かない、休んでいるの かな。
 


ホウの木の芽吹き。山はちょうどもえぎ色、このホウの木もその彩りを添えている。
 

 

東谷津レポート その12

2008.4.5(土) 山梨 晴れ  am10:30  気温20.2℃  水温19 ℃

 

先週(3/30)確認したヒキガエルの卵はもう孵化の準備に入っている。ヒキガエルの孵化は、アカガエルの孵化とは大きく違っているようだ。アカガエルは孵化の瞬間寒天質の中で、からだ全体を何回も大きく思いっきり動かして苦労の末に飛び出してくるのだが、ヒキガエルは、ひも状の皮が卵の部分だけ溶け(?)て卵そのものが(少しの寒天質に包まれてはいるが)浮き出してくるのだ。この状態で数日後卵は孵化してオタマジャクシになり、静かに泳ぎ出して行くのだろうか、なんと静かな孵化ではないか。残念ながら、今日は見られ
ない。

こんな静寂の中、何やら騒がしい一画があった。先に孵化し大きく成長したヤマアカガエルのオタマジャクシが数十匹で騒いでいる。棒切れでその中心を探ってみると、なんと、ちぎれたヒキガエルのひも状の卵塊に頭を突っ込んでむさぼり食っているのだ。多勢でつついているのでたちまち廻りが濁ってしまった。あの可愛らしいオタマジャクシが・・・。

カタクリの花が咲いているとの情報が入ったので行って見た。カタクリそのものは、この飯能地域でも珍しくはないが、ここに限って言えばまだ見たことがないので、場所の確認をして置こう。まだ若く開花した株が1株と、1枚葉の株が8株ほど確認できた。
 

ひも状の皮を溶かし?黒い卵が浮き出ている。



先に孵化し成長したアカガエルのオタマが、ちぎれたヒキガエルの卵(写真中央のオタマ達の頭の先の部分)を食べている。
 


きれいに咲くカタクリの花。ここでは初めて確認かな???

 

東谷津レポート その11

2008.3.30(日) 山梨 曇り  am10:00  気温  水温 

 

今日は東谷津(ほとけどじょうの里)でのエコツアー企画(一般公募)イベントだ。桜の花もほぼ満開なのに、春らしくない肌寒い生憎の日和だけれども、老若男女27名が集まり、谷津田の入り口でイノシシが目の前を横切るハプニング(歓迎)で始まった。

谷津田が久し振りににぎあう前に、貴重な観察素材を荒らされてはと先回りして見ると、池の中は、何やらひも状のものが絡み合ったように幾重にも重なって沈んでいる。「ヒギガエルの卵だ!!」昨年、一昨年と少量だが確認している、もう来る頃と密かに期待していたのでそれとすぐ分かった。今年は多い3つの池と水路にまで産卵されている。産卵合戦に破れ、気落ちした低い声で名残惜しそうに近くの物陰で"グッグッグー,グッグッグー"と人気をはばからず鳴(泣)いている輩もいる。

さて、今日の作業は、椎茸のコマ打ちと水路の整備だ。コマ打ち班、水路班それと炊事班に分かれ、早速作業開始。水路班は落ち葉やイノシシが踏み荒らした泥をジョレンでかきあげる。この作業は、水性の動植物の春の営みと、冬の住処を壊して進めることとなるので細心の注意が必要だ。案の定、水に浸った落ち葉の蔭でトウキョウサンショウウオの卵が4対見つかった。まだ寝ていたのか、泥だらけのヒキガエルも出て来た。

今日の動植物

イノシシ:2歳くらいの若いやつが目の前を猛進。
ヒキガエルと卵:通称ガマ。産卵に来ていたのだろう、不幸にも子供たちに見つかり、引きずり出されさらしもの(観察教材)になった。
トウキョウサンショウウオの卵:昨年、一昨年と1対だけだったので増えている。
ザリガニ:谷津田のせいか数少ないが毎年見つかる。
ドジョウ2種:絶滅危惧種のホトケドジョウも見つかった。

今日の献立

季節風味現地朝積みせりご飯。定番豚汁。ノビルのかつお節あえ韓国風。ハブソウ茶。
飯能名物みそ付け饅頭と思いっきりローカル豪華。デザートに手作りケーキにカットオレンジの差し入れと大満足。

pm2:30 無事終了 ご苦労様でした。

*東谷津ほとけどじょうの里では毎月第四日曜日午後、何らかの作業をしています。参加して見ませんか。


池一面に産卵されたヒキガエルのひも状の卵。
 


ヒキガエルの卵の拡大(実物はこれよりちょっと細い)ひも状の寒天質の中に黒い卵が無数に入っている。白いのは卵の裏側。柔らかくちょっと引くとすぐ切れてしまう。
 


ヒキガエル(アズマヒキガエル?)まだ冬眠中だったのか泥だらけ。このカエルは蛙らしいジャンプはせず写真の様にのそりのそりと慌てて逃げもせず我が道を歩いて行く。
 


みんなそろって至福の時、おかわり自由のせりご飯と豚汁。