東谷津レポート その10

2008.3.23(日) 山梨 晴れ  pm1:00  気温20.4°水温23.5°

 

先日のぎこちない初鳴きを聞いた鶯もはや”ホーホケッキョ”と上手に鳴いて、さかんに相方(愛方)を誘っている。

今日は午前中、東谷津からひと山越した天覧入り谷津(通称ホタルの里)での「天覧山谷津里づくりプロジェクト」の作業日だ。(行政、地主、市民が協力し里山の復活を目的に現地での実働を行っている。当h/pの同名欄参照)

作業前に見廻ってみると、トウキョウサンショウウオの三日月型の卵が見つかった。親は産卵後山に帰ってしまって見当たらない。

こちらホタルの里ではヤマアカガエルの産卵が非常に少なく、この里山復活プロジェクトに依り生息環境が整備されたことから、東谷津の卵を移動してみた。

午後東谷津に寄ってみた。ヤマアカガエルの欄塊がさらに4つ増えていた。まだ産卵が続いている。トウキョウサンショウウオの卵は、こちらでは確認できない。


天覧山谷津里づくりプロジェクトの作業。


トウキョウサンショウウオの卵のう:三日月型の卵塊が2つで一対となっている。
 


卵のうの中には数十個の卵(黒い点)が見える。
 

 

東谷津レポート その9

2008.3.16(日) 山梨 晴れ  pm1:45  気温20.7°水温22.0°

 

春の波は谷津田にも押し寄せて来た。

池の浅い所では水温が気温を追い越してしまった。全体的にはまだ冬枯れ色で有るが、周りには、草花や木々の花が咲いているのに気付く。ハコベ、ツクシ、ヒメオドリコソウそして黄色い小さな花々、アセビ、キブシ、ウグイスカグラなど順を追って次々に花を咲かせている。

やっと厳しい冬を越して羽がボロボロになったルリタテハ(成虫で冬を越す)は、春の陽射しをいっぱい浴びて、日光浴に余念がない。

山ではウグイスが"ホッケッキョ"とぎこちない初鳴きを聞いた。

ヤマアカガエルは2/29確認の一斉産卵以降も、日を置いては、ポツリポツリと産み落とされているが、もう終わりであろう。

ここで今年の産卵についてまとめて置こう。

●1/16初確認から3/16まで長い産卵期間が有る。この間に、8回の産卵で99個の卵塊を確認した。諏訪沢入りに96個、天覧入りに3個、この2つの谷津に合計99匹の雌が棲息していることになる。(一部憶測カウントあり)

99個中3個はニホンアカガエルのものかもしれない。

氷漬けを繰り返し、コケが生えて外観的には腐ったように見えても死滅せず、非常に少ないが孵化する。

産卵から孵化まで、12日、14日、22日、34日とバラバラである。12日間が最も多く、遅く産まれた方が短い日数で孵化する。

ひと山越しの天覧入りは、休耕田が諏訪沢入りよりかなり広いのに、卵塊が3個と非常に少ない。

イノシシが堀った水たまり(条件的には良いと思われるが)では1つの卵塊も確認できなかった。

これらのデータは来年に活かすこととして、今後は、オタマジャクシについてもう少し観察を続けて見ようと思う。


ウグイスカグラ:鶯が神楽を舞っているような姿と云われているが・・・。


アセビ:馬が食べると酔っぱらうとのこと馬酔木と書く。


ルリタテハ:成虫で越冬したためか、はねがかなりくたびれている。

 

東谷津レポート その8

2008.2.29(土) 山梨 晴れ  気温13.6°水温11°

 

今日は朝から暖かい。ポカポカ陽気の中、谷津田へと急いだ、道中着ている物を 一枚また一枚はぎ取ってゆく、ウインドブレイカー、セーター、シャツのボタン をはずし風を入れながら歩く。

谷津田の入り口の北斜面にしぶとく残っていた雪もすっかり溶けて黒くヌカって いる。「すべるぞ!!」と自分に言い聞かせ、いっぽ一歩慎重におりて行く。

池は近くの木々や青ぞらを水面に映し、光って見えにくい。少しずつ目線を動 かしてゆく、あった〜、あっちにもこっちにも、ついにヤマアカガエルが一斉に 産卵したのだ。

近くで競って産卵したのか、大きな塊になっているが、先に産んだ先輩に遠慮した のかどの塊も先のものから離れている。大きな塊が5個もあるぞ、ごちゃごちゃに 塊っているので1つがい分の卵塊が数えられない、大雑把に数えると、全ての池で 54個の追加だ、すごい。

てんたの会のトラスト推進地(ほとけどじょうの里)の下側の休耕田にも行って みた、広い場所だが、ここでは2/15に5個確認している。やはり8個増えていた。

山に一番近い日当たりの良い池では、既に孵化が始まって小さなオタマジャクシ が卵を包むジェリーの家から抜け出そうとおっぽを思いきり動かしてもがいてい る。うまく抜け出した子供らがお互いに外敵から防御しているのか、沈んだ落ち 葉の上で一塊になっていてあまり動かない。

そして梅が咲いて、谷津田に春が来た!!



新しく一斉に産みつけられた塊。なぜか先行の塊(上の目印)から離れている。


日当たりの良い水たまりではヤマアカガエルは孵化が始まっている。



中央の黒い塊がオタマたち。



梅の花が咲き谷津田に春が来た。

 

東谷津レポート その7

2008.2.20(水) 山梨 晴れ am10:40 気温13.2°水温8.5°

 

今日は久し振りに暖かくなるよと天気予報官が弾んだ声で言っていた。
 谷津田はまだまだ冬枯れの風景だが・・・。

あぜ道を注意深く探してみると、春をつげる草花たちの道案内を引き受けた
 オオイヌノフグリとホトケノザがさっそく春をみつけて咲いていた。
 

冬枯れの谷津「ほとけどじょうの里」の遠景。
(写真中央奥:てんたの会ではこの地を ナショナル・トラスト運動として"てんた里山基金"を設立、買い取りを目指している)


オオイヌノフグリ:かわいらしい小さな花で、これから一斉に咲きます。


ホトケノザ:これも小さな花です。思いっきり背のびして日差しをいっぱい浴びてます。


 

東谷津レポート その6

2008.2.14(木) 山梨 晴れ am10:40 気温11.8°水温6.0°

 

巷ではバレンタインデーとか、我輩は谷津田でカエルの卵探し。義理でもいいから谷津田に変化があって欲しいもの。

今朝もかなり冷え込んだ。谷津田の北斜面にはまだ先日降った雪が残っていて、時々ザザッ、ザザッと笹を鳴らしている。

池を覗き込む、あったぞヤマアカガエルの卵塊が8っも追加されている。これは義理ではないぞ、ついに始まったのだ本格的な産卵が、これで卵塊は全部で11個だ。と言うことはヤマアカガエルの雌は1つの卵塊しか産まないとのこと、少なくても11匹の雌が居る証拠。でも例年から見ればこんなものではないはず。これから大変だ、どっと出てくるぞ!!

物置小屋の縁台でこのレポートを書いていると、ポタリと手に何かが落ちてきた。ん・・・。小鳥の・・かな。上を見ると小屋の軒先からツララが下がっている。気温が上がってあっと言うまに消えてしまった。

物置小屋の軒先からツララが・・・。

いっきに増えた卵塊。

目印の数も増えてきた。池の一か所にかたまって産卵されている。


 

東谷津レポート その5

2008.2.8(土) 山梨 晴れ am10:30 気温8.4°水温5.5°

 

谷津田のため池に23日ぶりに変化があった。

ヤマアカガエルの2度目の産卵だ。今度はレポート2の池の写真の横長の池の左端、卵塊は1つだけで表面はガチガチの氷漬け、これもまたセッカチ組のフライングかな?

1/16発見の2つの卵塊は外側がかなり汚れてきた。黒い卵も変形は見られない、このところの寒さで死滅したかも知れない。(寒さで卵が死滅することがあるとのこと)

池の観察をしていると、ググッ、ググッと低い声で鳴きながら近づいて来る鳥がいる。

尻尾をヒョコッ、ヒョコッと独特なポーズで振りながら切り株や枝の切れ端にとまっている。ジョウビタキのメスだろうか?写真に撮りたいのだが、近くではじっとしてくれない、遠くではわりとじっとしてるのに。光学10倍のコンパクトデジカメでは届かない〜。諦めていたのだが、お茶を飲みながらボーッとしていると目の 前にシャッターチャンス、撮ったぞ!!ついに。

ヤマアカガエルの2度目の産卵

ついに撮ったぞ、ジョウビタキの雌

 

東谷津レポート その4

2008.1.26(金) 山梨 晴れ am11:30 気温11.3°水温4.5°

 

最近の冷え込みで、谷津田は何の変化なし。(地道に春を迎える準備が進んでいるのだろうけれど私には見当たらない)

谷津田沿いの雑木林でひなたぼっこ、ぽかぽかとあまりの気持ち良さにボーっとしていると、スウーっと目の前を横切って行くものに気付きます。そうです、テイカカズラの綿毛(種子)です。杉や檜、日の影った北側斜面など色の濃い所が背景になるとよく見えます。

テイカカズラは、この辺りの林ではどこにでも有り、まだ種のサヤが閉じたものもありますので、この綿毛が風に乗って飛ぶ風景はもう少しの間見られること
でしょう。

種のサヤ、種はサヤに逆さまに入っていて、飛び出そうと綿毛が顔を出しています。種は飛び出すと同時に宙返りし、まるでパラシュートのように風に乗って飛んで行く。

着いた所が霜ばしらの上「おー寒っ!!」

綿毛のビンズメはいかがかな?

 

東谷津レポート その3

2008.1.20(日) 山梨 晴れ pm1:30 気温10.3°水温6.5°

 

今日は「東谷津ほとけどじょうの里」の定例作業日だ。田んぼ(猪害で休耕中)と池沿いの雑木林の間伐と水路の整備を行った。
秋から降り積もった落ち葉をジョレンを使ってかき出し水路を確保する。作業中眠そうな目をしたヤマアカガエル(背中の2本の筋が目の後ろで曲がっている)を発見、卵の主か、冬眠中かはたまた産卵相手待ちぼうけ?

一汗かいてお茶とおやつで休憩、これがまたなんともいいんだ!!

 

ヤマアカガエル発見、ちょっといじったので不自然な格好になってます。


 

東谷津レポート その2

2008.1.19(土) 山梨 晴れ am10:40 気温11.3° 水温3.5°

 

今朝はかなり冷え込んだ。やっぱり谷津田の池は全面凍っている。

ヤマアカガエルの追加産卵は透き通った氷を通して覗き込んだが見当たらない無い、前回発見した2つが早過ぎなのだろう。この卵塊を改めて見てみると、卵は、ぶどうの房のように1つひとつがハッキリしている、ニホンアカガエルの卵かも知れない。

ヤマアカガエルのはデレッとしてるとのこと、次の一斉産卵が楽しみだ。


 

東谷津レポート その1

2008.1.16 山梨

 

朝10時、朝の用事を早々に済ませ東谷津ほとけどじょうの里に着いた。今回はどんな変化があるのか?

先週のバカ暖かさから一変して今週は今冬一番の冷え込みとか、何の変化も無いだろう、まさかヤマアカガエルの産卵は? あるわけない早すぎると素人興味に思いつつ入り口の竹林を進んで行く。

一つ目の池を確認、落ち葉が無数に沈んでいるだけで何も無い。
二つ目の池も無い、やっぱりな。
三つ目、ん・・・何かある、塊が見える。まさか・・・。

 

 

あった、ヤマアカガエルの卵塊だあ、それも二つだ。
水面からわずかに出ている部分に、冬のよわよわしい陽光が当たりピカッと光った。
近付いてよく見ると卵がほんの僅かしか変形していない、この2、3日前に産卵したのかな。これが早いのか、普通なのか(遅くはないだろうが)データが無いので分からない。

それにしても彼等は何を基に産卵活動を始めるのか?気温、日照時間それとも何かほかにあるのかな。
ホタルの里はどうだろう。ひと山越えて行ってみる、がまだ何も無い。

「1/16、東谷津ほとけどじょうの里、先週は3月並みの暖かさ今週は今冬一番の冷え込み、二つの卵塊確認」一つのデータが出来た。